近年、ChatGPTをはじめとする生成AIが一気に注目を集めています。ただし「法人で本格的に活用する」となると、セキュリティや費用、用途ごとの使い勝手など、考慮すべき点が少なくありません。
この記事では、「生成AIサービス 法人向け」 をテーマに、業務別の代表的なサービスとその特徴をわかりやすく紹介します。議事録作成やFAQ自動生成、カスタマーサポート、営業資料、リサーチ業務など、多岐にわたるユースケースを網羅的に取り上げました。自社に合うAI活用のヒントを探している方はぜひ参考にしてください。
1.議事録・要約作成
「会議は長いのに、議事録作成にかけられる時間は短い…」そんな悩みを持つ企業は少なくありません。議事録AIは、音声の自動文字起こしから要点の抽出までを瞬時にこなし、担当者の負担を大幅に減らしてくれます。
Otter.ai

アメリカ発の定番議事録サービス。会議に同席させるだけで、自動的に音声をテキスト化し、要点を抜き出してまとめてくれます。発言者ごとに色分けしてくれるので「誰が何を言ったのか」がひと目で分かり、あとから検索も簡単。グローバルチームでの利用実績も多く、英語会議の強い味方として根強い人気があります。
Notta

日本語での文字起こしに強く、国内企業での導入が増えているサービスです。ZoomやMeetとの連携もスムーズで、会議を録音するだけで要約やハイライトが完成。スマホアプリからも利用できるため、出先や社外打ち合わせの議事録作成にも便利。操作もシンプルなので、初めてAI議事録を試す企業にぴったりです。
2.マニュアル・FAQ自動生成
社内のナレッジ共有は意外と時間を取られる業務。ドキュメントは散在し、FAQは更新されず形骸化するケースもあります。ここでは、マニュアルやFAQの自動生成に強いサービスを紹介します。
Notion AI

社内Wikiとして広く使われるNotionに生成AIを組み合わせたもの。既存のドキュメントをAIが読み取り、見やすく整理し直したり、新しいFAQを自動で提案してくれます。特に「文書はあるけど整備されていない」「更新が追いつかない」といった課題に強く、ナレッジマネジメントの悩みを手軽に解決してくれるツールです。
Confluence + Atlassian Intelligence

大規模な組織でよく使われるConfluenceにAIを追加した形。大量の社内ドキュメントの中から関連情報を引き出し、自然な文章で回答してくれます。FAQの自動化やマニュアルの統一化が得意で、グローバルチームでも情報の“迷子”を減らせるのが大きな魅力です。
Zendesk Guide + AI

顧客サポート部門向けに特化したFAQ作成支援機能。過去の問い合わせデータをもとに「今後増えそうな質問」や「不足している記事」をAIが見つけ出し、ヘルプ記事の下書きを自動生成します。サポート担当者の手間を減らしながら、顧客にとっても使いやすいナレッジベースを整備できるのがポイントです。
3.カスタマーサポート
顧客対応は企業にとって最重要の接点。しかし人員リソースには限りがあります。そこで活躍するのが、AIを活用した自動応答やエージェント支援。顧客満足度を保ちながら効率化を実現できます。
Intercom Fin

スタートアップを中心に人気が広がっている生成AIチャットボット。よくある質問には24時間自動で対応し、難しい質問は人間にエスカレーションして引き継ぐ“賢い仕組み”が特徴です。サポートの現場に導入するだけで、顧客体験の底上げが期待できます。
4.社内問い合わせ・ナレッジ検索
「この規程どこにあったっけ?」という社内問い合わせは、意外に多くの工数を奪っています。社内ドキュメントを横断的に検索し、自然な回答を返すナレッジAIが注目されています。
Microsoft 365 Copilot(SharePoint/OneDrive)

Officeを使っている企業なら相性抜群の機能。SharePointやOneDriveに保存された資料をAIが横断検索し、質問に答えてくれます。「この規定どこに書いてあったっけ?」といった日常的な疑問を一瞬で解決でき、従業員の自己解決率を高めるのに効果的です。
Glean

「社内のGoogle検索」と呼ばれることもある、SaaS横断検索サービス。SlackやGoogle Driveなど複数の業務ツールをまたいで情報を探し出し、AIが回答文にまとめます。権限管理ともしっかり連動するので、セキュリティを保ったまま安心して導入できます。
Notebook LLM

複数の資料(PDF、スライド、Webリンク、ドキュメントなど)をノートブックに取り込み、それを基に提案に使えるガイドや概要をチャット形式で作成できます。Audio Overviews や Video Overviews 機能により、資料内容を音声や映像で要約し、移動中や非デスクワークでも把握しやすくなっています。さらに、組織向けに IAM コントロールや共有ノート、使用状況分析(analytics)が可能で、チームでの提案準備を効率化できます。
5.営業資料・提案書作成
営業担当者の悩みの一つが「資料作りに時間を取られてしまう」こと。AIによる自動ドラフト作成は、提案準備のスピードを大きく変えています。
Google Slides + Duet AI

Googleスライドの中で直接利用できるAI機能。与えられたテキストからスライドの構成を考え、適切なレイアウトやビジュアルまで提案してくれます。Google Workspaceを普段から使っている企業なら、追加学習なしで自然に使いこなせるはずです。
6.Web記事・広告コピー・SNS投稿
マーケティングは「質と量の両立」が鍵。生成AIはSNS投稿や広告コピー、ブログ記事の下書きを効率的に生み出し、発信スピードを高めます。
HubSpot AI

CRMと連携しながら記事やメール文面を生成できるのが特徴。顧客データをもとにパーソナライズされたコピーを作れるため、よりコンバージョンにつながりやすい文章が出力できます。マーケティングオートメーションと相性が抜群です。
7.レポート・分析サマリー
経営会議や報告資料では「分かりやすい要約」が求められます。数値をただ並べるのではなく、背景や示唆を自然言語で説明してくれるAIが重宝されています。
Tableau

データ可視化の王道ツールにAIが追加され、自然言語で質問すれば自動的にグラフを作成してくれます。AIがチャートに解説文を付与することで、専門知識がない人でも分析結果を理解しやすくなるのが大きなポイント。
ChatGPT Code Interpreter

CSVファイルを投げ込むだけで、集計から可視化、要約まで一気通貫で処理してくれます。Pythonを書けなくても高度なデータ分析ができるため、データサイエンス部門だけでなく、事業部門の担当者にも人気があります。
8.顧客対応ログ整理・VOC分析
日々の問い合わせやコールログには、顧客の声(VOC)が詰まっています。AIは膨大なログを短時間で分析し、改善の糸口を可視化してくれます。
Salesforce Einstein

CRMに蓄積された顧客対応を要約し、「次にやるべきこと」を提案。VOCを営業活動や改善策に直結させることができるため、経営層の意思決定支援にも有効です。
9.法務・契約文書
契約書や法務文書は慎重なレビューが欠かせません。AIは条文のリスクを洗い出し、草案作成を効率化することで、法務担当の負荷を軽減します。
LegalOn(旧LegalForce)

国内の法律事務所や大企業で導入が進む法務特化型AI。契約書を読み込み、条文のリスクや不足を瞬時に指摘してくれます。レビュー作業を効率化し、法務担当者がより戦略的な業務に集中できるようになるのが魅力です。
クラウドサイン AIアシスト

契約文書の草案を自動生成し、差分比較や不備チェックも可能。紙から電子契約への移行を後押ししてきたクラウドサインが提供しているだけあって、現場目線での使いやすさに配慮されています。
Harvey

海外の大手法律事務所で採用されている生成AI。契約書の初期ドラフト作成からリーガルリサーチまで幅広く対応。法的な複雑性に合わせた高精度の出力で、特に英語案件での利用が拡大しています。
10.リサーチ・競合分析
市場や競合の動きをいち早くキャッチすることは、経営戦略の要です。AIを活用したリサーチは、出典付きで信頼性の高い情報をまとめ、調査効率を飛躍的に高めます。
Perplexity for Enterprise

「AI検索」として注目されるPerplexityの法人版。検索結果には必ず出典が明示され、信頼性の高い調査レポートを作ることができます。ビジネスリサーチや競合分析の起点として使いやすいサービスです。
Semrush + AI

SEOや競合マーケティングに強いツールにAI機能が追加され、競合サイトの戦略やキーワードを一瞬で分析できます。デジタルマーケティングの最前線で役立つツールとして世界的に利用されています。
様々な業務に対応しているAIアシスタント
アーガイル AIアシスタント

様々な業務をまとめて扱える法人向けの総合型サービスです。セキュリティやアクセス権管理も備えているため、安心して全社導入が可能。さらにGPT-5やClaude4.1、Gemini2.5など複数モデルを用途に合わせて切り替えられるのも魅力です。
社内文書の読み込み(RAG)にも対応し、タブごとに異なるタスクやプロンプト、DeepResearchなどのエージェント機能もセットできるので、今までに紹介して来たような様々な用途にも、このサービスひとつで利用可能です。自社でカスタマイズをしなくても、導入してすぐに使える様々なタブ(リーガルチェック、企画書作成、議事録作成など)がプリセットされている点も特徴です
まとめ
生成AIサービスは、議事録やFAQから営業、マーケティング、法務に至るまで、あらゆる業務で活用の幅が広がっています。特化型のサービスを組み合わせて使うのも一つの手ですが、用途を横断して使える総合型ツールを導入するのも効率的です。
自社の業務にどのアプローチが合うのかを見極めるには、まずは試してみるのが一番の近道。気になるサービスがあれば、ぜひ無料トライアルを利用して、AIがもたらす業務効率化のインパクトを実感してみてください。

「AIアシスタント」は、ChatGPT、Gemini、Claudeなど最新の20種以上のAIモデルを組織内に一括導入できる、組織導入型のAI活用サービスの決定版です。高度なセキュリティ、直感的なUI、管理機能、画像生成、画像認識、ディープリサーチ、ファイル読み込み、社内文書参照(RAG)対応で、組織業務の効率化をサポートします。1ユーザー400円からの定額制、最少5名、最短3ヶ月の契約から。文字数による従量課金無しの定額料金。様々な分野の企業法人、行政機関、自治体、教育機関の導入事例も多く、柔軟なカスタマイズ機能開発やプロンプト制作代行にも対応しています。