デジタル社会の進展に伴い、AI開発への需要が急速に高まっています。総務省の「情報通信白書」の調査でも、2028年に国内のAI関連市場は約2.54兆円を超えると予測されています。また、政府のデジタル田園都市国家構想においても、AI活用は重要な施策として位置づけられています。
しかし、AI開発プロジェクトの成功率は決して高くありません。その主な原因の一つが、適切な開発パートナーを選べていないことにあります。本記事では、AI開発会社を選ぶ際の重要なポイントを解説していきます。
AI開発会社を選ぶ際の7つのチェックポイント

1. 実績とポートフォリオ
開発会社の過去の実績は、最も重要な判断材料の一つです。特に注目すべき点は:
・類似プロジェクトの開発経験
・具体的な成功事例と定量的な効果
・顧客企業の規模や業界の多様性
2. 技術力と専門性
AIには様々な要素技術があり、目的に応じた適切な技術選択が重要です:
・機械学習、深層学習などの専門知識
・最新技術への対応状況
・社内の技術者の経験と能力
3. 開発プロセスの透明性
プロジェクトの進行を適切に管理できる体制が整っているかを確認:
・開発手法(アジャイル、ウォーターフォールなど)
・進捗報告の頻度と方法
・品質管理の仕組み
4. コミュニケーション能力
技術的な内容を分かりやすく説明できる能力は不可欠です:
・要件定義での丁寧なヒアリング
・非技術者への分かりやすい説明
・問題発生時の適切な報告と対応
5. サポート体制
開発後のメンテナンスや運用サポートも重要な要素です:
・保守運用体制の充実度
・緊急時の対応能力
・教育研修のサポート
6. コストと期間の妥当性
予算規模に応じた適切な提案ができているかを確認:
・費用の内訳の透明性
・開発期間の現実性
・追加コストの発生条件
7. セキュリティ対策
データ保護と情報セキュリティの体制を確認:
・セキュリティ認証の取得状況
・データ管理ポリシー
・インシデント対応体制
開発前の準備で押さえるべきこと

1. 明確な目的設定
・解決したい課題の具体化
・期待する効果の数値化
・ステークホルダーの合意形成
2. 予算と期間の設定
・初期開発費用の見積もり
・運用保守費用の計画
・開発補助金の活用検討(例:経産省のAI導入支援事業)
よくある失敗事例と対策

1. 要件定義の不備
【発生要因】
・関係者間でAIに対する理解度や期待値に大きな差がある
・現場の業務フローが正確に把握されていない
・将来的な拡張性や変更の可能性が考慮されていない
・技術的な制約事項の認識が不足している
・ステークホルダー全員の合意が取れていない
【対策】
・プロジェクト開始前の十分な協議時間の確保
・PoC(実証実験)による実現可能性の検証
・ステークホルダーとの合意形成プロセスの確立
・外部専門家によるレビューの実施
2. コスト超過
【発生要因】
・初期見積もりの甘さや想定外の作業発生
・要件の追加や変更が頻繁に発生
・データの整備に予想以上の工数が必要
・テスト工程での不具合対応の長期化
・チーム体制の見直しや人員追加の必要性
【対策】
・段階的な開発アプローチの採用
・明確なマイルストーンの設定
・適切な予備費の設定
・変更管理プロセスの確立
・定期的なコストレビューの実施
3. 運用体制の未整備
【発生要因】
・運用担当者のスキル不足
・運用手順やルールの未整備
・障害発生時の対応フローが不明確
・データ更新プロセスの複雑さ
・モニタリング体制の不備
【対策】
・社内の受け入れ態勢の事前準備
・詳細な教育トレーニングの実施
・運用マニュアルの整備
・段階的な運用移管計画の策定
・定期的な運用状況の評価
4. データ品質の問題
【発生要因】
・既存データの不完全さや精度の低さ
・データの形式や構造の不統一
・データ収集プロセスの問題
・法的制約やプライバシーの考慮不足
・データの鮮度管理の不備
【対策】
・事前のデータ分析と品質評価の実施
・データクレンジング工程の組み込み
・継続的なデータ収集・更新体制の構築
・データガバナンス体制の確立
・定期的なデータ品質監査の実施
これらの失敗を未然に防ぐためには、プロジェクトの計画段階から、発生しうる問題を予測し、適切な対策を講じることが重要です。
AI開発会社の事例紹介
それではAI開発会社のひとつと開発事例をご紹介します。
生成AI開発会社であるアーガイル株式会社が、東京都市大学の依頼を受けて開発した英会話システムが、同大学のプレスリリースで公開されています。AIが個々の英語の理解力を判定し、改善点を提示していく学習システムです。
また、弁護士ベンチャー企業の依頼を受けて開発された「ロボット弁護士」のサービスが、弁護士監修のもとで500件の法律相談に95%以上の正答率を出してリリースされた事例や、オンラインゲーム制作会社の依頼を受けて開発した、ゲーム内のキャラクターAIなどの事例も紹介されています。
下記ページから、アーガイル株式会社の開発の概要や他の事例も確認できます。
AI活用の実証実験・PoCの詳細はこちら
生成AIシステム開発会社の詳細はこちら
AIエージェント開発会社の詳細はこちら
アーガイル株式会社は、豊富な開発経験から得られた知見を活かし、生成AI活用の企画、設計段階のコンサルティングから、システムの開発、プロンプトの制作、エージェントの構築、サーバ等のインフラ構築、完成後の保守運用まで、生成AI活用における全ての段階をサポートしています。
まとめ:パートナー選びで成功するAI開発
AI開発の成功には、適切なパートナー選びが不可欠です。要件定義から運用まで一貫したサポート体制と、柔軟な開発アプローチができるかどうかを指標にするといいでしょう。
AI開発プロジェクトのご相談は当社でも受け付けておりますので、まずは無料相談会からお気軽にスタートいただけます。貴社のAI導入を成功に導くため、豊富な経験を持つ専門家が丁寧にサポートいたします。

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